月刊・デンタルニュース

(平成26年1月号)

今月は『歯の痛み①』をご紹介します。
歯の痛みは耐え難い苦痛で、尿路結石と並んでもっとも強い痛みの一つです。何らかの理由で歯の神経が刺激を受けたり炎症を起こすと痛みを感じます。痛みの感じ方はいろいろで、人によって表現は異なりますが、ズキズキする痛み、鋭い痛み、鈍い痛み、冷たいものがしみたりキーンという痛みなどなど。またすぐに消える痛みもあれば、持続する痛みもあります。一般的に歯が痛むと、むし歯を思い浮かべますが、実は色々な原因によって歯に痛みを感じます。患者さんからの痛みの訴えを手がかりに、歯科医師は原因を探ります。歯が本当に原因の人もいれば、そうでない場合もあるのです。

歯に原因がある痛み

①むし歯・・・

痛みの原因として最も多いのがむし歯です。むし歯が進行し、むし歯菌が神経(歯髄)の中にまで入り込んで、炎症を起こすための痛みです。根っこの治療を行うことで痛みは消えます。

②歯のひび・破断・・・

歯科治療で脆くなっていたり、噛み合わせの問題がある場合に、鳥軟骨や貝の中の石といった硬いものを噛んだときに、歯が割れてしまうことがあります。このひび割れは、肉眼では確認できないものも多く、根っこが破折していることもあります。この割れ目から細菌が入り込み炎症を起こすというケースで抜歯になることもあります。

③知覚過敏・・・

過度に歯磨きしたり歯ぎしり等でエナメル質の下の象牙質が露出してしまうと、その部分が刺激を受けて、ズキンとかキーンという痛みを感じます。専用の歯磨き粉の使用やコーティングを行います。

④歯周病・・・

歯と歯ぐきの隙間に細菌が入り込んで生じる歯のまわりの炎症で、程度の差はあれ8割以上の大人が歯周病にかかっているという報告があります。通常、痛みはありませんが、身体の抵抗力が弱い時に急性化して痛みと同時に歯ぐきの腫れや発赤がみられ、膿が出ることもあります。歯周ポケットの清掃や消毒、抗菌剤の投与などをします。

⑤歯根膜炎・・・

むし歯でない歯や神経を取った歯がなぜか痛むようなときは、歯のまわりにある歯根膜という部分が炎症をおこしていることがあります。歯の食いしばりなどが原因です。意識的に食いしばりをやめて、就寝時はマウスピースを着用をするなどの対策をします。



歯が原因でない歯の痛みも少なからずあります。
蓄膿症、片頭痛・・・などなど。これについては、次号でご紹介したいと思います。

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