月刊・デンタルニュース

(平成26年9月号)

今月は『歯石』についてご紹介します。
歯に付いた細菌の塊である歯垢は、唾液中のミネラルと結びついて、わずか数日で歯石となります。歯石は石のように硬く、歯ブラシでは取ることはできません。しかもこの歯石が歯周病の主原因なんです。歯周病は最も感染者数が多い感染症としてギネスブックに掲載されている程で、日本でも50代以降の約半数が罹患しています。歯に歯石が付くと、歯石を棲家とする歯周病菌から毒素が分泌され、歯を支えている歯周組織が徐々に破壊されていきます。そして次第に歯はグラグラとなり、最後には抜かなければならなくなる大変怖い病気です。
歯周病は45歳以上の抜歯原因の第1位です。

1.歯周ポケット内が危険!全身にも‼

歯と歯ぐきの境目から上に付く歯石は、主に歯垢とミネラルからなり、乳白色で、専用の器具を使えば比較的簡単に取ることができます。一方、境目より下の歯と歯ぐきの隙間の歯周ポケット内に付いている歯石は、歯垢とミネラルと血液からなり、黒っぽく、歯に強く付着しています。この歯周ポケット内の歯石が歯周病の原因となるものです。いろいろな環境要因や個人差はありますがおよそ10~30年かけて病気はゆっくり進行していきます。主な症状は出血、腫れ、強い口臭、歯がグラグラするといったもので、重度の歯周病では歯を抜かなければなりません。また最近の研究から、歯石中の歯周病菌等が歯ぐきの出血部位から血管内に入り込み、心臓やの脳の血管病変や糖尿病の悪化、肺炎、早産に関係していることが明らかになっています。現在、約10種類の歯周病菌が特定されています。

2.歯石の付きやすい場所

食事の度に酸によって溶け出す歯の表面を修復(再石灰化)するため、唾液中にはカルシウムやリン等のミネラルが大量に含まれています。歯垢は、そのミネラルと結びついて歯石になるので、下の前歯の裏側(舌下腺)や上の奥歯の辺り(耳下腺)は、唾液の出口に近く付きやすい場所です。

3.歯石を取り除くには・・・

どんなに歯磨きを一生懸命やっても、歯垢の1~2割は磨き残してしまいます。つまりどんな人でも必ず歯石は付いてしまうということです。また歯石や歯石の中の細菌を歯ブラシでと取ることはできません。特に悪さをする歯周ポケット内の歯石は自分では見ることができませんので、定期的に歯科医院で専用の器具を用いて除去する必要があります。

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