(平成27年1月号)

今月は『上手な歯ブラシの使い方』をご案内します。 歯の汚れであるプラーク(歯垢)を毎日きちんと落とすことは、むし歯と歯周疾患の予防に直結しています。 先月号では歯垢染色剤で赤く染め出して、磨き残したプラークの場所を確認しながら歯磨きの練習をすることで、 要介護者や高齢者でもきれいに磨けるようになることをご紹介しました。 しかし、一生懸命磨いてもなかなかプラークを落とすことができない方もいます。もしかしたらただ漠然と磨いて いるだけで、ちゃんと磨けていないのかもしれません。実は磨き残しはいつも同じ場所であることが多く、その場所 にしっかり歯ブラシを当てることがポイントなのです。そこで今月は『上手な歯ブラシの使い方』をご紹介したいと思います。

1.歯ブラシの植毛部にも名前が!?

歯ブラシにはやわらかめ、ふつう、かための3種類があることはご存知だと思います。それでは歯ブラシの植毛部分に 呼び名があることを知っていますか? 全面、つま先、わき、かかかとの4つに分けられるのです。もしかしたらご存じない方のほうが多いかもしれません。 しかしこの4つの部分を、磨く場所に合わせて使い分けることで、とてもきれいに磨けるようになるのです。

2.それぞれに得意な場所がある!!

【全面】
全面は植毛部の一面全体を使うということです。広い範囲を磨くことができますから、歯全体をおおまかに 磨くことに適しています。短時間でざっくりと磨いたあとに、残っている汚れを他の部分で磨き上げていく イメージです。



【つま先】
奥歯の磨き残した部分を磨くのに適しています。具体的には歯と歯の間のデコボコとした奥歯の溝、一番奥の歯 の後ろ側等です。



【わき】
歯周病は歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットの汚れが原因です。歯周ポケットの汚れをかき出すには、歯ブラシ のわきを歯と歯ぐきの境目に当て、毛先をポケットに入れるような感じで磨きます。



【かかと】
前歯の裏側を磨くことに適しています。下の前歯の裏側には唾液腺があって、特に歯石が形成されやすい場所です。 歯ブラシを縦にして、かかとの部分で磨くと、かなりきれいに磨けます。 毎日の歯磨きで歯ブラシの毛先は摩耗します。また毛の弾力もなくなるので、歯垢の除去率が低下します。 歯ブラシは1ケ月を目安に交換しましょう。

▲このページの先頭へ