月刊・デンタルニュース

(平成28年1月号)

今月は「口腔乾燥」のご案内です。 この季節は、気候や暖房器具で空気がとても乾燥しています。乾燥によるトラブルとして、 すぐ思い浮かぶのは肌の痒みですが、お口に関しても、口腔乾燥(ドライマウス)という疾患があります。 これは季節に関係なく、唾液の分泌量が減少することによって、口の中が乾く病気です。以前は老化現象 の一つと考えられてきましたが、近年では加齢による影響はほとんどないとする研究報告が増えています。 しかし高齢者の約半数に認められ、要介護や寝たきりの方では口腔乾燥が重度化すると発語できなくなり、 症状を訴えられないということもあります。

口腔乾燥の原因と自覚症状

唾液は大脳の支配下にある自律神経で調整されています。唾液腺が正常であっても、何らかの影響で この神経の働きが低下すると唾液分泌量が減少すると考えられます。高齢者の場合、
①糖尿病や腎疾患といった体の水分の異常
②精神・神経疾患といった心因性のもの
③経鼻栄養による口呼吸や口を閉じられないことによるもの
④薬剤の副作用
等が主な原因となっています。特にβ遮断剤、抗うつ剤、抗パーキンソン剤は 口腔乾燥が多く認められます。長期に服用することによって唾液分泌の低下が生じるため、 これまで問題がなかったから薬剤が原因でないと間違って判断することもあるので注意が必要です。 主な症状として、口の中が乾く、水をよく飲む、乾いた食品が食べにくい、食べ物が飲み込みにくい、 口の中がネバネバする、話しにくい、味覚が変わった、舌が痛い、入れ歯で傷がつきやすい等が見られます。 また唾液が減少すると、通常3分毎にある空嚥下が少なくなり、いわば嚥下の準備不足となり、 嚥下障害が起こりやすくなります。

口腔乾燥への対策

口腔乾燥を原因から改善する根治療法は難しく、症状を軽減させる対症治療が中心となります。

1.唾液の分泌を促す方法
咀嚼や摂食行動による刺激で唾液の分泌は促されます。ガムを噛んだり、レモンや梅干を口に含む等 は効果的です。また直接、手で唾液腺をマッサージすることでも唾液分泌が促されます。

2.保湿する方法
乾燥を和らげるために、保湿成分であるヒアルロン酸やグリセリンを含む口腔保湿剤の使用が効果的です。 身近にあるからということで水を代用してもその効果は一時的で、気道へはいりやすいというリスクもあります。 口腔保湿剤は喉へ流れ込む心配の少ないジェルタイプがおすすめです。

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